リブマーク
銀河鉄道の夜




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少女
ねえ、ここはどこ。

青年
ここはね・・・・。

少女
(窓の外をみて)わー、奇麗。星が輝いてる。先生、船から見えた星がこんなに近く見える。

青年
星が?ほんとに綺麗な星だね。見てごらん、あの印。あれは天井のしるしだよ。私たちは神さまに召されています。


女の子を席に座らせる。女の子は素直にそこへ座って、きちんと両手を組み合せる


少女
私、大姉さんのところへ行きたかった。

青年
お父さんや大姉さんも、すぐに来てくれますよ。それより、お母様が向こうで待っています。天井からずーっと見守っていたでしょう。お母様のところへ早く行きましょうね。

少女
お母さん・・・。

青年
ほら、外を見てごらん。あの立派な川、あれは天の川です。

少女
天の川。

青年
そう、あそこは夏の間眠る時、きらきら星を歌いながらいつも窓から見ていたでしょう。私たちは、もう悲しいことはありません。今、こんなに素敵なところを旅して、もうすぐ神様のところへ行けるんだから。そこは、明るくて、いい匂いがして、立派な人たちがたくさんいらっしゃいます。

少女
そこにお母さんがいるのね。