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ジョバンニ カムパネルラ、また僕たち二人きりになったね、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもう、あの蠍のようにほんとうにみんなの幸福のためならば僕の体なんか、百回焼いてもかまわない。 カンパネルラ そうだね。僕だって同じだ。 ジョバンニ でもほんとうの幸せってまだわからない。一体何だろう。 カンパネルラ ほんとうの幸せか。(しばらく考えて) ジョバンニ きっと、僕たちが生きていくって事だよね。そして、路を見つけて歩くんだ!僕たち二人で歩いて行こうね。 カンパネルラ うん。(天の川のひととこを指さして)あ、あそこ石炭袋【コールサック】だよ。真っ暗な空の穴だ。 ジョバンニ 僕、もうあんな大きな闇の中だって怖くない。どんな暗闇の中でも、みんなのほんとうの幸せを探しに行くんだ。カンパネルラ、僕達どこまでもどこまでも一緒だよね。 カンパネルラ うん。きっと行くよ。行きたいんだ。でもね、あ、あそこの野原はなんてきれいだろう。みんな集まってるね。あそこがほんとうの天上なんだ。あっ、あそこにいるのぼくのおかあさんだよ。 ジョバンニ お母さん?(カンパネルラの見ている方を必死に見る)君のお母さんなんていないよ。カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。 カンパネルラ (ジョバンニを見ないでずっと遠くを見ている) 影たち シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、 シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、 シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、 シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ。 |
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