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銀河鉄道の夜




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始めは一歩。そのとき出来ることを、一歩から始めればいい。一歩一歩、歴史を大切することだ。


そして、歩いて歩いて歩いて、新しい歴史をおまえは作って行く。


その足で、手で、頭で、そして心で歴史を作るんだ。その時、ほんとうの幸福を手に入れることが出来る。

ジョバンニ
ぼくは歴史を作っていく。ぼくの歴史を歩いて作っていくんだ。そうなんだね。僕は僕のために、お母さんのために、それから、それからカムパネルラのために、みんなのために歴史を作るのか。それが、ほんとうの幸福を見つけることなんだね。

影たち
そうだ、その切符をしっかり持っているんだ。

ジョバンニ
(はっとして、ズボンのポケットをさがす。そして一枚の紙が出てくる。それはカンパネルラと一緒に乗った銀河鉄道の切符だった)これは!


おまえはもう夢の中の鉄道ではない、ほんとうの世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐに歩いて行くんだ。

影たち
いいか、宇宙でたった一枚の、その切符を無くしてはいけない。それは、おまえの生きている世界で、カンパネルラの心と、いつでも一緒にいることだぞ。

ジョバンニ
銀河鉄道の切符。これを持って僕はきっとまっすぐに歩きます。カンパネルラ、見ててね。ぼくは必ずほんとうの幸福を見つける路を歩いて行くよ。


汽笛


影たち
シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、
シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、
シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ、
シュッ、シュッ、ドッド、ダッタン、ドテドテ。